マーケティングで用いられるペルソナとは簡単に言うとユーザー像のこと。商材販売につなげるウェブコンテンツを作成したいと考えた時、まずペルソナの設定を行います。「どのような人に読んでもらい、商材購入につなげたいのか」というターゲットをはっきりさせることで、効率の良い集客につながるでしょう。この記事ではペルソナを設定する意味、そして作成する方法について詳しくご紹介します。
この記事の目次
ペルソナとは?ペルソナを設定する意味を確認
ペルソナとは、商材やサービスの典型的なユーザー像のことを表します。実際に存在する人物のようにリアリティを持たせて、年齢や性別、居住地、職業、年収、趣味、価値観、家族構成、ライフスタイルなどを設定していきます。
ウェブコンテンツを作成する時、対象を絞り込むのに考えるものといえば、「ターゲット」がありますが、こちらは年齢や性別などをグルーピング化しただけものです。例えば、「男性・女性」「20代~40代」「仕事をしている・仕事をしていない」などがあります。ペルソナを作る時はまずターゲットを決め、そこから対象を絞っていくようにしましょう。
ペルソナという人格を一つ設定すれば、どのようなメディアでコンテンツを作成すべきかが明確になります。そして、制作に携わる関係者にもそのイメージを共有できるため、理解が高まり効率的にコンテンツ作成を進行していくことが可能になるでしょう。
ターゲットのみを考え、ペルソナを設定していない状態の場合は、何をどのように読者に届けるかがあいまいになるため、コンテンツの作成時間が長引いてしまいますが、ペルソナを設定すれば誰に何を届けるのかがはっきりしてくるため、的を絞ってアイディアを考えることが可能になるのです。
なお、ペルソナを設定する際には思い込みや先入観を排除するよう心がけてください。SNSの口コミやユーザーアンケートなどを活用し、実際のユーザーの傾向を把握してから、代表的な人物像としてのペルソナを検討していきましょう。
ここで、担当者の思い込みでペルソナを設定してしまうと、情報を届けたい読者とのずれが発生して、隠れたニーズを刺激するコンテンツを作成できなくなってしまいます。また、関係者間でイメージを共有しやすくするためにも、一般的な人物像を設定することが望ましいでしょう。一般的な人物像を設定することで、より多くの人に情報を届けることができるというメリットもあります。
また、ペルソナをイメージしやすくするためには、人物像を文章化するだけでなく、写真で外見を設定しておくこと有効な方法です。
カスタマージャーニーを想定する理由
ペルソナはただ設定して終わりではありません。企業や商材・サービスを認知している層から、具体的に購入を検討している層まで、ユーザーの興味関心のレベルや知識量は異なります。そのため、ペルソナの設定だけでなく、ペルソナとなった人物が何を考え、どう行動していくかを時系列で想定する「カスタマージャーニー」の作成もおすすめします。
カスタマージャーニーを作成することで、商材やサービスを認知し、購入に至るまでのプロセスを関係者間で共有できるという効果もあります。カスタマージャーニーを作成しておくと、顧客の考えがどのように動いていくかを把握できるため、そのステージに応じた有効なコンテンツを作成できるでしょう。
ペルソナを設定する際に気を付けたいこと
さて、理想の顧客像となるペルソナですが、どれだけ親和性が高くてもターゲットの母数が少なすぎると利益を伸ばすことはできません。
そのため、まずは公的機関や企業内にある調査結果を利用し、属性ごとに顧客ボリュームを算出します。母数が大きく、かつ商材と親和性が高いペルソナを作成するようにしましょう。
そして、コンテンツの読者を顧客化するためには、アンケートやユーザー調査に基づいて、顧客となって欲しい人が「何を求めているか」を深堀りしていく必要があります。「○○を欲しがっているようだ」というウォンツをくみ上げるだけではなく、「どうして○○が欲しいのか?」「○○があることで生活がどのように変わるか?(または、充実するか?)」というニーズまで考えていくのです。
ペルソナの設定、そしてどのようなニーズを刺激したいのかを決めたら、次はどのように訴求していくかを考えないといけません。
訴求効果を高めたいのならば、商材認知度や購入検討度に応じて「ロジカル項目」と「エモーショナル項目」を組み合わせ訴えかけることが必要です。
ロジカル項目では、既に購入を検討している人に対して、利便性や経済的メリット、安全性といった客観的事実で商材の強みを証明します。一方エモーショナル項目では、面白さや親密さ、権威付けといった個人的理由で購入への動機づけを行います。まだ商材認知度が低い人に対して効果的な訴求方法です。
ただし、ロジカル項目、エモーショナル項目どちらかに偏りすぎることはおすすめしません。バランスよく訴えかけることで、購入意欲を刺激することができます。
ユーザーの思考の流れを考える
大半の見込み顧客がコンテンツやSNSから情報収集するため、デジタルマーケティングで集客用コンテンツを準備することは必須条件と言えます。その際に考えるべきなのは、購買行動に応じた見込み顧客(ユーザー)の思考の流れです。
性別や年齢、居住地や生活習慣といった面からターゲットとなるユーザー像、すなわちペルソナを検討することはマーケティングでも浸透してきました。しかし、ペルソナを検討するだけでは肝心なことが抜け落ちてしまいます。
それが、ユーザーの思考の流れである「カスタマージャーニー」です。商材を認知し、比較検討した上で購入するという一連の流れの中で、ユーザーの不安や悩み、想いは大きく変化します。
掃除機を例に考えてみましょう。商材を認知する前段階では、ユーザーは「掃除が面倒くさいから、手軽に使える掃除機が欲しい」といったように、漠然とした想いを抱いています。
インターネットやCMなどで商材を認知すれば、「本当に使い方は簡単なのだろうか。他の商材との違いは何だろう?」と、より具体的な疑問を持ち始めるでしょう。そこで、商材のスペックやメリット、開発までのストーリーなどを調べることになります。
このように、購入に至るまでに抱える悩みや不安、疑問を集客用コンテンツで解決することで、ユーザーは納得・安心して商材・サービスを購入することができるのです。
ターゲットの関心の高さまで考えてコンテンツ作成に生かす
ターゲットとすべきペルソナの中でも、企業および商材を認知していない層や購入を検討している層など、興味関心のレベルから知識量まで、どの程度関心を持っているかは人それぞれです。
ニーズを喚起してペルソナで設定したような人物を顧客化するためには、認知度が低ければ商材を認知させる訴求を、購入を検討していれば商材のメリットを強く訴求をといったように、読者ごとにレベルが違う関心を刺激できる情報を提供しなければなりません。
ペルソナの設定は重要!カスタマージャーニーについても考えよう
商材販売につなげるコンテンツを作成する際、ペルソナの設定はとても大事です。この部分をあいまいにしていると、その後のコンテンツの充実および集客に大きく響きます。ペルソナを作る時は偏った人物を設定することは避け、アンケート結果などに基づいた一般的な人物を設定するようにしましょう。対象となる母数が多いほど、提供する情報に反応してくれる人が多くなるはずです。
また、ペルソナの設定をした後はカスタマージャーニーについても考えましょう。どのように商材に興味を持ち、購入に至るかを具体的に想定するのです。この作業を行うことで、コンテンツの読者が興味を持つレベルごとに情報を提供することができます。