コンテンツマーケティングツールとは?/ツールを選ぶ上でのポイント

PC、電卓、電球のイラスト


コンテンツマーケティングという施策は、効果を実感できるまでには時間がかかる上に、実施する上でかかる工数は数え切れません。大手企業ならともかく、中小企業や小規模事業者であれば、資金や人的なリソースは限られており、効率よく作業を処理しなければ、施策の継続および成功はおぼつきません。
そこで、賢く利用したいのが、コンテンツマーケティングツールです。
ただ、その種類は多く、自社の目的や予算に見合ったツールを探し出すのは、容易ではありません。
今回は、コンテンツマーケティングツールはなぜ必要か、また、ツールを選ぶ上でのポイントなど、詳しく解説します。

この記事の目次

コンテンツマーケティングとは?

モバイルPCを操るスーツ姿の男


まずは、コンテンツマーケティングの基本を確認しておきましょう。

コンテンツマーケティングの定義

コンテンツマーケティングの先進国であるアメリカにおいて、コンテンツマーケティングの第一人者と目されているジョー・ピューリッジ氏は、コンテンツマーケティングの定義について、以下のように述べています。
「コンテンツマーケティングは、価値のある一貫したコンテンツを作成・配布することに焦点を当てた、戦略的なマーケティングアプローチです。自社の見込み客を引き付け、最終的には収益性の高い購買行動を促すことを目的としています」。
コンテンツマーケティングは、ご存じのようにマーケティング手法の一つです。マーケティングとは一口に言うと、「企業が顧客と良好な関係を築き、顧客が自社の製品やサービスを購入し続ける仕組み」を作ることです。コンテンツマーケティングにおいても、オウンドメディアで自社の製品やサービスを一方的に売り込むのではなく、見込み客や顧客が関心を持ちそうなコンテンツを常に提供し、自社に興味を持ってもらうことが第一歩です。そこから段階を経て、製品・サービスに目を向けてもらい、購買行動を起こしてもらうことが、最終的な目標です。

大手企業がコンテンツマーケティングを採用する理由

マイクロソフトやP&G(プロクターアンドギャンブル)、シスコシステムズなど、アメリカの名だたる企業は、コンテンツマーケティングを有効活用しています。これらの企業がコンテンツマーケティングを利用する理由として、売り上げ数値の増加、コストの削減のほかに、「企業に忠誠心を抱く、良好な顧客を獲得できる」と回答しています。
コンテンツマーケティングは、オウンドメディアを用いてターゲットに有益なコンテンツを継続して提供し、自社と自社が扱う製品・サービスに目を向けさせ、購入させるまでの一連の施策です。
企業にとってのターゲットは、購買プロセスのどの位置にいるかによって、いくつかに分類されます。自身でも欲求に気づいていない「潜在顧客」。何が欲しいかは分かっているが、どの製品にするかはまだ決めていない「見込み顧客」。自社の製品・サービスを含め、購入を検討している「ホットな顧客」などです。さらには、購入した後、口コミで評判を広めてくれる、「ファン」化した顧客の存在もあります。
コンテンツマーケティングでは、それぞれのターゲットに向けて、彼らが求めるコンテンツを発信することにより、顧客接点の最適化を図らなければなりません。つまり、コンテンツの力で
顧客ロイヤリティを向上させることで、「企業に忠誠心を抱く、良好な顧客を獲得できる」のです。
そのためには、ターゲットが望む情報を調査、分析し、コンテンツ作成に反映させることが重要です。また、定期的に効果測定を行い、コンテンツの内容を微調整する必要があります。それには、コンテンツマーケティングツールを活用して、効率的に作業を行うべきでしょう。

コンテンツマーケティングでツールが必要な理由

モバイルPCを見ながら談笑する二人の男性と一人の女性


コンテンツマーケティングは、ターゲットが何を求めているかという、コンテンツ作成のためのニーズ調査、競合他社の動向調査、さらにはコンテンツを配信した後の効果測定など、様々なデータを収集し、分析することが必須になります。
調査・分析結果の精度を上げるためには、より多くのデータサンプル数の確保が必要であり、作業を処理するにはそれなりの人的リソースと時間を要します。
コンテンツマーケティングツールを活用することにより、作業をある程度、自動化して効率化を図れば、浮いた分の人員や時間を、コンテンツ制作などのクリエイティブな作業に回すことが可能になります。

コンテンツマーケティングツールを選ぶポイント

子供とモバイルPCに見入る母親


コンテンツマーケティングツールには多くの種類があり、そのツールで何ができるのか、どのような機能が備わっているか、あるいは費用はなど、選定する上でのポイントは色々とあります。

目的に合わせた機能を備えるツールを選ぶ

コンテンツマーケティングは、施策のターゲットがどのステージにいるかによって、ツールに求められる機能は異なります。自社サイトへの訪問者数の増加を目指すなら、SEOに特化した機能を装備するツールが望ましいでしょう。また、潜在顧客のニーズを探るのであれば、キーワードを検索する機能を有するツールが相応しいです。あるいは、自社サイトへの来訪者がどのような行動を取ったかを把握したいのであれば、アクセス解析ツールが便利です。
コンテンツマーケティングの目的を明確にし、それを達成するためにはツールにどのような機能が必要か、見極めることが大切です。

予算と費用との兼ね合いで選ぶ

コンテンツマーケティングも事業活動の一環ですから、限られた予算内で事業目標を達成しなければなりません。施策の規模に合わせて、予算取りも変わってきます。またツールは、多機能であるほど高額になります。コンテンツマーケティングは、その効果が現れるまでには、ある程度の時間を要します。
はじめから予算額に見合わない、高額なツールを導入してしまうと、費用対効果が問われ、施策の継続にも支障をきたす恐れがあります。
ツールの導入当初は無料版を利用し、使い勝手を確かめつつ、機能を拡張したければ有料版に切り替えるというように、段階を踏んで費用も検討してみてください。

コンテンツマーケティングツールを厳選

壁にアルファベットを落書きする小さい子供


では、代表的なコンテンツマーケティングツールを、4点ご紹介しましょう。

ahrefs(エイチレフス)

世界中で約60万人が利用している、SEO解析ツールです。自社サイトはもちろん、競合サイトのバックリンク(被リンク分析)、検索エンジンの上位表示コンテンツ、流入が想定されるキーワード、SNSにおける投稿に対する反応などを把握することが可能です。
各種エクスプローラー機能が充実しています。
「サイトエクスプローラー」は、ドメイン及びURL単位で、対象とするサイトのSEO調査をするためのツールです。対象サイトの流入キーワード調査、被リンク調査を行うことができます。これにより、競合サイトの流入キーワードを調べてコンテンツを改善し、自社サイトへの流入増を図ることが可能になります。「コンテンツエクスプローラー」は、SNSで人気のある記事を探すためのツールです。特定のキーワードを入力すると、そのキーワードを含む話題性のあるコンテンツが表示されます。「キーワードエクスプローラー」は、キーワードの検索ボリュームや難易度を調査するツールです。キーワードの競合性を調査し、自社サイトへの流入を促すコンテンツを作成します。「ランキング調査」機能は、自社サイトと競合サイトの順位をチェックするツールです。注目しているキーワードの順位推移をレポーティング設定することが可能なので、社内の報告資料として利用できます。
☆「ahrefs(エイチレフス)」
https://ahrefs.jp/

SimilarWeb(シミラーウェブ)

サイト分析に特化したコンテンツマーケティングツールです。自社サイトはもちろん、競合サイトの分析も可能なため、動向を意識しつつ、自社サイトのコンテンツ戦略に役立てることが可能です。
「コンバージョン分析」では、ページビュー、トラフィックソース、オンサイト検索を分析し、施策のパフォーマンスを向上させます。さらに、購入前の消費者にブランドがどのような影響を与えるか明確にできます。カスタマージャーニーをにらみ、各段階で顧客ニーズに沿ったコンテンツを展開できます。加えて、オーディエンスのプロファイリング機能も充実しています。Webサイトの閲覧状況や検索クエリなど、オンライン行動に基づいてオーディエンスをセグメント化します。あらゆるオーディエンスに対し、最も効果的なコンテンツ、トピック、リーチ戦略を提示します。
☆「SimilarWeb(シミラーウェブ)」
https://www.similarweb.com/ja/

ミエルカ

Faber Companyが10年に渡り、人工知能(AI)を活用して開発したSEOプラットフォームです。コンテンツの企画・制作・評価・改善に資するとともに、競合サイトを含むSEOパフォーマンス計測が可能です。
SEO対策に欠かせない、サイト上のページ改善対策を分かりやすく提案します。ツールを活用して、内部最適化、内部対策、コンテンツ作成により検索結果の上位表示が狙えます。また、上位表示するために、今のコンテンツに不足しているものは何か、可視化します。サイトへの流入や、問い合わせを増やすキーワードをサジェスト。Webサイトへの集客を行うには、検索者の意図を理解することが必要です。それには、Web上のデータ解析、ユーザー意図の分析、共起語の解析、SNSで拡散しているコンテンツやトピックを洗い出し、自社サイトに集客するために必要な機能が満載です。
さらに、令和3年5月には、「競合流入キーワード調査」という新機能を追加しました。これは、任意サイトのドメイン、もしくはURLを入力すると、対象とするサイトの検索流入キーワードや、検索順位の状況を分析する機能です。これにより、競合サイトがどのようなコンテンツ戦略を立案し、どんなキーワードで集客しているかが把握できます。加えて、自社サイトと競合サイトの流入キーワードを比較することにより、新しいトピックを見出すことも可能になりました。新規にオウンドメディアを立ち上げる時、キーワードを設定する際の手助けになります。
☆ミエルカ
https://mieru-ca.com/

Cloud CMO

コンテンツマーケティングに特化した、運用ツールです。コンテンツの投稿や更新、効果分析にかかる工数を大幅に削減してくれます。
コンテンツマーケティング施策の効果を最大化するために、4つのプロセスを踏み、それぞれに機能を設けています。
「Webサイトへのアクセス数アップ」
Webサイトへのアクセス数の増加は、リード獲得のためのファーストステップです。彼らが頻繁に使用する検索キーワードに基づいてコンテンツを作成し、訪問者数のアップさせることが課題となります。Cloud CMOのCMSは、直感的に操作することができるため、利用者のITリテラシーは問われません。マークした検索キーワードは、検索順位を定点観測できるため、Googleの検索アルゴリズムの更新による影響も把握することが可能です。
FacebookやTwitterも一度連携すれば、同時に投稿ができます。投稿文も、自動で生成してくれます。
このプロセスに対応する機能は、ブログ機能、コンテンツレポート、キーワードサジェストとキーワード分析、SNS連携機能などです。
「リードの獲得促進・一元管理」
誰でも、見込み顧客=リードを獲得するためのフォーム画面を作成できます。フォームで入力したリードは、Cloud CMOで同時管理が可能。リードの行動履歴を把握し、彼らが関心を持ちそうなトピックを提示し、効果的なアプローチを実現します。このプロセスに対応する機能は、フォーム作成機能、リードマスタなどです。ちなみに、Sales ForceなどのCRMとも連携できます。
「リードとのコミュニケーション活性化」
通常のメルマガ作成はもちろん、リードが興味を抱きそうなトピックに合わせて、定期的に段階を経て、購買意欲を刺激するステップメールの作成・配信も行えます。
「高度なマーケティング施策の実行」
マーケティングにおける「顧客の育成」は、高度な技術を要します。Cloud CMOなら、スコアリング機能を用いて、リードの行動履歴や属性から、自社がアプローチするべきリードを機械的に判断してくれるのです。また、タグが挿入可能な外部サイトのウェブ行動履歴を確認することも可能です。これにより、複数のサイトでの行動履歴を横断的に把握し、より正確にリードが興味を持ちそうなトピックを知ることができるのです。
☆Cloud CMO
https://innova-jp.com/cloud-cmo/

まとめ:自社のコンテンツマーケティング施策を見定め、最適なツールを探そう

子供を抱いて葉っぱをもてあそぶ母親


今回は、コンテンツマーケティングツールを取り上げました。
コンテンツマーケティングは、オウンドメディアへの集客を増やし、コンテンツの力で自社や取り扱う製品への関心を高め、ゆくゆくは購買行動へと向かわせる、息の長い施策です。リードの行動を変容させるには、彼らの関心事を調査・分析し、コンテンツの作成に反映し、定期的に効果測定を行って、コンテンツ内容を微調整しなければなりません。膨大なデータを収集し、処理するには、ツールを賢く利用して、限られた人員と時間を効率よく回す必要があるのです。
自社のコンテンツマーケティング施策の状況に合わせて、ツールを選びましょう。まずは施策の目的を再確認し、それを達成するためにはどのような機能が必要か、見極めてください。ツールにかかる費用と、予算との兼ね合いも大切です。
コンテンツの作成など、クリエイティブな作業には、人的なリソースの投下が必要です。それ以外の作業は、ツールを活用して自動化・効率化することが可能です。この記事でご紹介したコンテンツマーケティングツールは、ほんの一例です。自社のコンテンツマーケティング施策の状況を見定め、最適なツールを探してみましょう。
コンテンツマーケティングという施策は、効果が顕在化するまでには時間を要し、多くの工数を必要とします。限られた社内のリソースを活かす意味でも、ツールの利用と共に、外部のプロへの委託という選択肢も、視野に入れてみてはいかがでしょう。
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大庭隆之
大学卒業後、新聞社に勤務。企業へのインタビュー記事作成業務を経たのち、広告制作会社に勤務。退社後は、フリーランスのライターとして活動中。得意分野は、ビジネス、マーケティング、各種マーケットリサーチなど。
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